不動産についていつも考えていること。
私達の生活と密接に関わりのある不動産は、実に多彩な側面を持っていますが、大きくモノとしての側面、法律(権利)としての側面、金融(お金)としての側面から捉えることができます。
モノとしての側面
不動産は、六本木ヒルズのように超巨大なものから、戸建住宅ように身近なものまで、圧倒的なモノとして存在しています。平成バブルの最盛期、東京の山手線内の土地価格の合計でアメリカ全土が買えてしまうと言われたことがありますが、日本の国も不動産であるという見方をすることもできます。
建物は、大きなものも小さなものも、それを建てた人の生涯をかけた思い、情熱が物理的な存在として実体化したものと言えるでしょう。
権利のかたまりとしての側面
土地は、間違いなく、日本列島が誕生して以来、その場所にあったものです。
日本国では不動産の完全所有権を取得することが出来ますが、固定資産税等を納める義務があります。完全所有権と言っても、不動産という場の胴元は、税金を徴収している政府で、その上に様々な権利が薄い板のように乗っているというイメージです。所有権の上に借地権が乗って、更に建物があるとテナントの権利が乗ってきたりして、権利関係が複雑な様相を呈することもあります。時には、絡まりあった権利を解きほぐすようなことも必要になることもあります。
お金のかたまりとしての側面
21世紀の世の中は、基本的にお金が余っている時代です。運用先を求めて過剰流動性(お金)が色々なところに滞留しています。不動産は、永続的な実体があって、安定的な収益を期待できるので、重要な運用先の一つとなっています。例えば、お金を投資して事務所ビル(元本)を建てた場合、そのビルにテナントが入居して賃料(果実)が生み出された瞬間に、その事務所ビルは物理的な存在であると同時に利回りXパーセントで回る金融商品になります。更に、その不動産が債券や株式のように証券化されると、モノとして実態から離れて上の数字に抽象化されていきます。このように不動産は実体を伴ったモノであると同時に、お金のかたまりという側面を有しています。
不動産鑑定士として
以上述べてきた様々なことが複雑に絡み合って、今、私達の目の前に不動産は存在しています。不動産鑑定士は、人様の大切な財産である不動産に、法的文書である鑑定評価書という形で価格をつけることを認められた唯一の国家資格です。
不動産は、大きなものから小さなものまで私達にとって最も身近な財でありながら、時には複雑怪奇な様相を見せたりします。物事について調査したり、考えを巡らせたり、好奇心旺盛で初めての場所に行ったりすることが好きなので入ったこの仕事ですが、お客様から依頼を受ける度に、いつも鑑定は一筋縄ではいなかないなあと思います(職務に伴う責任を考えれば当たり前のことです)
不動産の世界は、実に広大で奥が深いので、まだまだ勉強しなければならないことがたくさんあります。
いちばんを目指します。
私達は、小さい事務所ですが、まずは目黒区でいちばん、更には東京都でいちばんの鑑定事務所を目指します。
「いちばん」といっても色々な基準がありますが、「売上・収益」「受任件数」などの『自己の利益面』でいちばんになるのではなく、以下のそれぞれの項目でトップになることを目指しています。
弊所が、目黒区にある不動産鑑定事務所で「いちばん」を目指していること。
ー専門知識/不動産に関する知識ー
私達が皆様のお役に立つことが出来るのは、不動産そのもの及び法律・金融に関する専門的な知識があってのことです。これは不動産鑑定士の責務でもありますが、不断の勉強と研鑽によって高度な知識と豊富な経験の体得に努めます。
ーフットワーク、現場力ー
不動産鑑定は、考現学としての側面があります。不動産は、権利及びお金のかたまりとして捉えることもできますが、まずは圧倒的なモノとして存在しています。その経済的価値に肉薄するには「現地・現場・現物」という視点が欠かせません。不動産に関する情報はネットに溢れていますが、結局、実際にその場所に行って周辺を歩き回って、時には飛び込みでヒアリングをしたりすることを通じて、その不動産に対する総合的な理解を組み立てていくことが極めて重要です。
ー説明力/プレゼンテーション力ー
前職であるメーカーの商品企画の仕事では、モノゴトを分かり易く説明して関係者を説得することが求められました。日常的に図表やグラフを使って企画の説明をしていたので、プレゼンテーションは得意な方だと思います。
私は、不動産業界の外からやって来た人間なので、いわゆる素人の方が、どういう疑問をお持ちになるのかを十分理解することが出来ます。不動産及び法律等に関する一見難しそうな専門用語や概念を解きほぐして分かり易く説明することが、小職の持ち味であり役割ではないかと考えています。
以上述べたことを念頭に置きつつ、地元の目黒・世田谷に密着・精通した不動産に関する問題解決人として、一所懸命活動することを通じて、お客様のお役に立っていきたいです。